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- 日本でテレワークの生産性低下を防ぎ、向上させる2つの施策とは?
日本でテレワークの生産性低下を防ぎ、向上させる2つの施策とは?
- 2022/7/27
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「テレワークを始めたけど、チームの生産性が下がっている」という働き方改革の悩みを持つ経営者や管理職の方は多いです。実際、アドビ株式会社が実施した調査によると、テレワークを行っている人のうち、43%の人が「生産性が下がった」と回答しているのです。在宅のメリットとしては感染症対策やワークライフバランスが挙げられますが、仕事の関係者と円滑に情報を共有し、場所を選ばずに効率的に仕事を進められるかどうかは別問題です。システムの不備や環境の影響により、仕事のパフォーマンスも大きく影響を受けます。このような場合には、テレワークを行う従業員の生産性を向上させる施策が必要です。本記事では、生産性を上げる2つの方法を成功事例やポイントとともに紹介します。
クラウドストレージを利用してペーパーレス化に取り組む
ペーパーレス化に取り組む意味
ペーパーレス化されていないことが、生産性を下げる要因になっています。Holmesが実施した調査によると「紙の保管書類をすぐに確認できない」ことが、テレワークにおける支障であると43.3%の人が回答しています。また、やむを得ず出社した理由としては「契約書の押印・送付のため」(46.7%)「郵送で届く書類の確認・対応のため」(44.4%)などが挙げられました。他にも社内評価関係の書類も対象になるでしょう。つまり、ペーパーレス化に取り組むことによって、40%以上の従業員がこれらの要因を排除し生産性を高めることが可能になったのです。
成功事例
日本航空株式会社は、テレワークを活用するにあたり、ペーパーレス化に取り組みました。ペーパーレス化に取り組むことによって、やむを得ず出社することがなくなり、社員のプライベートな時間を増やす目的の「ワーケーション」という取り組みも実現したのです。ワーケーションは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合わせた造語で、旅行先などでテレワークが行えるようにする取り組みです。このようなテレワーク導入に伴う改革によって、時間外や休日の労働が、2016年は平均12.1時間だったのが2017年では平均7.9時間に減り、8時間以下の労働時間に下がったことで生産性を上げることに成功しました。
ペーパーレス化を行うポイント
クラウドストレージを活用する
クラウドストレージを活用することで、テレワークで働く時でも社内書類の確認作業に役立ちます。社内のサーバーだけで書類データを保管してしまうと、外部からの閲覧の際にVPN接続やメールでのやり取りが多くなってしまい、状況を把握できずに生産性を上げることができません。そのため、クラウドストレージが必要になるのです。
デバイスを支給する
外部から社内の書類を確認することができれば生産性は上がりますが、セキュリティ面で不安が生じます。特に、個人所有のデバイスでは、会社が管理できないため情報漏洩のリスクが高まります。そのため、テレワークを行う社員へ会社からデバイスを支給し、デバイス管理ツールを使用するなどの、リスクを削減する仕組みが重要です。
部分的にペーパーレス化する
すべての書類をペーパーレス化した場合には、社員が混乱してしまう可能性があります。その結果、計画が頓挫してしまう危険性もあるのです。そのため、部署ごとやプロジェクトごとなど、部分的にペーパーレス化していくことがポイントになります。そうすることで、社員を混乱させずに、ペーパーレスの効果や利便性を実感してもらえるようになります。
補助金を受給してITツールを利用する
ITツールを利用する意味
アドビ株式会社が実施した調査によると、テレワークで生産性が下がった理由として「勤務環境が整っていない」と68%の人が回答しました。つまり、テレワークの生産性を上げるには、情報通信のITツールを利用し勤務環境を整える必要があるのです。ITツールには「チャットツール」「プロジェクト管理ツール」などがあります。インターネットの「チャットツール」を利用すると、リアルタイムでコミュニケーションを取ることができるため、テレワークであっても円滑に話を進められます。また、1対1だけではなく大人数での使用を想定したものもあり、会議に使用することもできるのです。「プロジェクト管理ツール」は、プロジェクトごとの仕事量と担当人数を計算して管理するツールです。そのため、テレワークであっても自分がやるべきことが明確になり、生産性が上がります。さらに、情報共有できる機能が付いている場合には、自分だけではなく他の同僚や上司の進捗を確認することもできます。この機能によって、チーム単位でのプロジェクト管理や生産性の維持が可能になるのです。
成功事例
株式会社WORK SMILE LABOでは、パソコンを全社員に支給し、社外でも仕事ができるシステムを構築しました。それに伴って、直行直帰やスマホでの出退勤ができるような取り組みを行ったのです。その結果、2016年から2017年の1年間で、残業時間が40%も減りました。そのうえ、売上が5%増加させることにも成功しました。このように、ITツールを利用して勤務環境を整えることで、テレワークの生産性を上げることができるのです。
ITツールを利用するポイント
補助金を使って導入する
おすすめとなるのは補助金の利用です。ITツールを利用する場合には、IT導入補助金をもらえる可能性があります。IT導入補助金は用途が限定されないため、労働生産性を上げることにつながるITツールを導入できることが利点です。IT導入補助金は、ソフトウェアのみではなく、サービスも含めることができます。そのため、導入設定やマニュアル作成、導入指導や、保守サポートなども行えますので、社内の環境を整備できるようになります。しかし、登録されているIT企業・ITツールでしか補助金を得ることができない点には注意が必要です。
用途に合ったツールを選ぶ
ITツールには様々なものがあります。例えば、コミュニケーションを図ることが目的だった場合には「チャットツール」や「web会議ツール」などがあります。それぞれの違いを理解し用途に合ったツールを選ばなければ、やりたいことができない可能性も出てきてしまいます。他にもイベントの企画や電話対応に関しても、それぞれ異なるアプローチの検討が求められます。そのため、全体的にITツールを選ぶ際には、用途に合っているかを確認すること必要です。
社員が使えるか確認する
社員が使えないITツールを導入した場合には、難しいという印象を持たれて社内で普及しない可能性があります。すると、生産性を上げることにつながりません。これを回避するためには、使いやすさやマニュアルの充実度でITツールを選ぶ必要があります。また、会社でITツール使用講座などを開いて継続できるかどうかを確かめることも効果的です。
まとめ
コロナ禍でビジネスの士気を低下させずにテレワークの生産性を上げるためには、会社に行かなければできないことを減らす必要があります。そのためには「社内の書類を整理してペーパーレス化を行う」「会社に行かなくても円滑にコミュニケーションが取れるITツールを導入する」などの施策が必要です。このような施策を行って、テレワークの生産性を上げたい場合には、お問い合わせください。